涙の河 歌詞|羊文学+くるり (lyrics)

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曲名:涙の河

配信/発売日:2026-10-12

作詞:塩塚モエカ

作曲:塩塚モエカ

編曲:岸田繁


歌詞の意味

涙が河になるほどの悲しみを前に、語り手はそこに留まらず、星の先まで君を追いかけようとする。夢と現実を越え、行き先もなく宙を泳ぐ姿には、相手へ近づきたい切実さと、自分の足場を失っている不安が同居している。それでも「命は燃えている」と続くため、この移動は諦めではない。何が起きたのかを説明しきれなくても、君に向かう気持ちだけは消えていないのである。

静かな春と凍てつく冬が並ぶ一方、「嘘と誠」は鏡合わせのままになる。季節が変わっても、真偽を簡単には分けられない状態が続いている。触れた途端に崩れるものと、その破片に触れて光る手の対比も、壊れたことがすべての価値を失うことではないと読める。ここでは、崩れた対象が具体的に何なのかは明かされない。だからこそ、その曖昧さを保ったまま、失われたものに触れる身体の感覚が前に出てくる。

「あの日の空」のフラッシュバックは、淡い記憶でありながら心臓を掴む。淡さと力の強さが同居し、過去が現在の身体にまで及んでいることを伝える。「大丈夫」と言い聞かせるのは、すでに平気だからではなく、呼吸をほどき、少しずつ思考を取り戻すための行為だ。「何度でもやり直した」という過去形からは、一度の決意ですべてを乗り越えたのではない歩みが見える。涙を拭う右手の冷たさも、その過程がまだ苦しみと隣り合わせであることを残している。

時間は君のそばを変わらず流れ、有限だからこそ今が重みを持つ。ただし「今がとても」の後は言い切られず、括弧の中で、君といればこの脆い世界にも自分の居場所があるという思いが続く。失う痛みと、ここにいてよいという感覚が、同じ場所で支え合っている。「最後の歌」は別れを連想させるが、その事情を一つに限定する必要はない。夜明けが近づく中、握った手を放し、合図とともに羽を開く場面は、相手にすがることから自分で進むことへの変化を示す。最後に再び現れたあの日の空を、君の声が掻き消す。記憶そのものがなくなるのではなく、それに飲み込まれそうな現在へ、別の声が届いてくる結末である。







涙の河を渡り、星の先まで

夢も現も越えて君を追いかけ

あてどもなく宙を泳ぐ

それでも命は燃えている

静かな春も、凍てつく冬の底でも

嘘と誠は鏡合わせのままで

触れてしまえば崩れ落ちる

破片に触れた手、光っていた

フラッシュバックするあの日の空

心臓掴む淡い記憶ずっと

大丈夫だって言い聞かせてる

だんだん解けてゆく呼吸

ちょっとずつ見えてく思考

そうやって何度でもやり直した

浮かぶ涙を拭う右手冷たく

失うことはきっと誰も苦しい

時は変わらず君のそばを流れる

限りあるから今がとても

(ああ、こんなに脆い世界も君といれば)

(ああ、私はここにいても良いと)

君に贈る最後の歌

そろそろ夜明けが来る

フリーフォールして握った手放し

いっせーので羽開く、そうだ

フラッシュバックするあの日の空

掻き消し響く君の声!

Namida no kawa o watari, hoshi no saki made

Yume mo utsutsu mo koete kimi o oikake

Atedomo naku sora o oyogu

Sore demo inochi wa moete iru

Shizuka na haru mo, itetsuku fuyu no soko demo

Uso to makoto wa kagami awase no mama de

Furete shimaeba kuzureochiru

Hahen ni fureta te, hikatte ita

Furasshubakku suru ano hi no sora

Shinzou tsukamu awai kioku zutto

Daijoubu datte iikikaseteru

Dandan hodokete yuku kokyuu

Chotto zutsu mieteku shikou

Sou yatte nando demo yarinaoshita

Ukabu namida o nuguu migite tsumetaku

Ushinau koto wa kitto dare mo kurushii

Toki wa kawarazu kimi no soba o nagareru

Kagiri aru kara ima ga totemo

(Aa, konna ni moroi sekai mo kimi to ireba)

(Aa, watashi wa koko ni ite mo ii to)

Kimi ni okuru saigo no uta

Sorosoro yoake ga kuru

Furii fooru shite nigitta te hanashi

Issee no de hane hiraku, sou da

Furasshubakku suru ano hi no sora

Kakikeshi hibiku kimi no koe!

Crossing the river of tears, beyond the stars,

Past dreams and waking life, chasing after you,

I swim through the sky without a destination.

Even so, life is still burning.

In quiet spring, or deep in the freezing winter,

Falsehood and truth remain facing each other like mirrors.

Touch them, and they crumble away.

The hand that touched the fragments was shining.

The sky from that day comes back in flashes,

A faint memory, forever gripping my heart.

I keep telling myself it will be all right.

Little by little, my breathing loosens,

My thoughts grow a little clearer.

That's how I started over, time and time again.

My right hand, wiping away the welling tears, is cold.

Losing something surely hurts everyone.

Time flows beside you, just as it always has.

Because it is finite, this moment is so…

(Ah, even in a world this fragile, if I am with you…)

(Ah, I feel that I am allowed to be here.)

The last song I give to you,

Dawn will come before long.

In free fall, letting go of the hand I held,

On the count of three, spreading our wings: yes.

The sky from that day comes back in flashes,

And your ringing voice drowns it out!

渡過淚水的河,直到星辰彼端

跨越夢與現實,追逐著你

漫無目的地游過天空

即使如此,生命依然燃燒著

無論寧靜的春日,或冰冷冬季的深處

謊言與真實仍像鏡子般彼此相對

一旦碰觸,就會崩落

碰過碎片的手,閃著光

那一天的天空在腦中閃回

淡淡的記憶,一直緊抓著心臟

不斷告訴自己,沒事的

呼吸漸漸舒展

思緒一點一點變得清晰

就這樣,一次又一次重新來過

拭去湧出淚水的右手冰冷

失去什麼,想必任誰都會痛苦

時間一如往常,在你身旁流過

正因有限,此刻才如此……

(啊,就算世界如此脆弱,只要與你一起)

(啊,我也可以留在這裡)

送給你的最後一首歌

天就快亮了

自由墜落,鬆開握住的手

一、二、三,一起展開翅膀,是啊

那一天的天空在腦中閃回

你響起的聲音,將它蓋過!

正文完
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